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源さんが、書けるレベル「初級」と言うことで進めていきます。10年間にいろんな失敗を繰り返し、私なりに考えてやっている事を書きます。源さん流アマチュア木工術とでも言ったもので、当然違った意見や間違った記述もあるかもしれません。質問やご指摘はメールにて、どしどしお願いします。また、固有の会社名、商品名を記載しますが、たまたま源さんが使っている工具、塗料などであり、宣伝費等は一切もらっていません。

  このページは、源さんの木工と同じで、永久に未完成です。後から思い出して付け加えたり、訂正したりと進化、発展、変化(へんげ)し続けます。(変化した箇所は、Newまたは訂正の記載をしておきます。)

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   第1章 準 備 編
   第2章 実 践 編
   第3章 道具の手入れ
   第4章 治具と安全具
   第5章 作品製作特別室


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   第5章 作品制作特別室
第1回 「道具箱」
■始めに!
回目の作品と言う事で、やっぱり「道具箱」かなあ?と勝手に思いこんで「道具箱」に決定しました。

図面は参考程度にして、内部の構造、表面の仕上げ、材料は皆さんがアレンジして下さい。私は、二個目の道具箱と言う事で、持ち運びの事は考えずに、電動工具も入る大きめにしました。
   ▼道具箱の図面を見る

●解説
幅は900mm、高さ200mm、奥行き300mmとしていますが、寸法はアレンジして下さい。ポイントは蓋の寸法で、左の持ち手の部分から右の端までが820mmで、右端から右の持ち手の部分までが20mmにしています。これで蓋を一端左に押し込んで右にずらすと蓋が閉まる事になります。
また、強度を持たすのと滑らし易いと言う事で底板を端から端一杯にしています。
寸法は、外〜外です。
 
●部材
持ち手、取っ手は端材を利用。底板、横板は10mmの合板、蓋は4mmのベニヤを使います。これもアレンジして下さい。少し重くなるかも知れませんが、ホームセンターで売っている集成材を使うと強度、耐久性が上がるでしょう。

●内部の構造
内部の構造は各自で考えて下さい。仕切るのもよし、そのままもよし。

●部材の加工
今回は持ち手、取っ手以外は合板を使用するので平面は問題ありません。
それぞれの部材の直角を正確にとってください。横板の組み手の加工は後で行います。(とりあえず、それぞれの寸法の四角い板を6枚と角材6本を用意します。)

訂正 蓋の1枚と取っ手2本を追加
 
    ▼部材の分解図面を見る

●横板の組み手加工
横板の厚み分だけ切り込みを入れる。(源さんの場合は10mm)

1 罫引きで正確に線を入れる。

2 胴付き鋸か細かい目のパネルソーで、線の内側(切り捨てる側)に鋸を合わせて挽いていく。

3 バリが残っている場合は、ノミで取る。
 

●組立
今回、源さんは合板と言う事で釘留めにしました。(皆さんはご自由に)接着面に木工ボンドを塗り、3cm間隔で釘留めしていきます。(釘はステンレスのスクリュー釘)
釘の寸法の目安は、1:2で十分と思います。(厚さ1cmの板を留める場合3cmの釘を使用する。)

接着剤が乾く前に、それぞれの直角を確認し、修正しておきましょう。
写真のスコヤは、源さんの手づくりです。

底板は、引きずる事を考慮して、隠し釘にするか、木ねじを1mm深めに打つ。
 

●底板、取っ手をそれぞれ取り付けて組立は完了します。

それぞれの部材の寸法、直角、切り込みの寸法と直角が正確に出ていれば、組み立てたときに正確な立方体になるはずです。(内側の寸法を確認しておく事)

蓋は寸法どおり加工して下さい。もし、内側の寸法に狂いがある時は、蓋で調整をするしかありません。
 
●上手く出来ましたか? 私の道具箱は、電動工具入れに変わり、図面とかなり違っていますので画像は省略します。皆さんの完成品の画像をお待ちしています。

第2回 「キッチン・ラック」
回目は、ホームセンターで揃う材料で、キッチン・ラックを作ってみたいと思います。
例によって、Jw_Cadで書いた図面を画像Dataに変換して置きますが、詳細な図面は今回から「Jw_Cad/図面」のコーナーを新設し、そちらに掲載して置きます。

●「キッチン・ラック」の参考図面
    ▼「全体図(ガラス扉)」をみる     ▼「内部棚図」をみる
    ▼「扉図面」をみる     ▼「全体図(木製扉)」をみる
1 材料はホームセンターで買ってきた、2×4のイエローパイン?(買って来た時は憶えていたのに)柔らかくて加工のしやすい木です。
   90mm×910mm×19mm 4枚
  140mm×910mm×19mm 2枚
  板ガラス 1枚 蝶番 1セット その他

2 ラックのサイズは、縦600mm×横400mm×奥行き90mm

3 内部は2段の棚付きで、扉はガラスを入れるようにしました。今回のポイントは、この扉の加工で、図では「3枚接ぎ」にしてありますが、「相欠き接ぎ」や木ネジを使って「いも接ぎ」にアレンジしても良いと思います。

 ガラスを入れる部分は、ガラスの厚みと固定用の桟の厚み分を切り込みます。この作業については、ルーターを使わない方法もありますが、皆さんで工夫して下さい。また、ガラスの代わりに板材を使う方法も良いのではないでしょうか。(私は杉板を使うことにしました。)

(▼扉の拡大図を見る)

4 次に、天板の面取りですが、図ではルーターを使わないと出せないような形状にしていますが、これも斜めに鉋で面取りをしてもかまいません。鉋を上手に使うと丸面や半丸の面も出せます。

5 2枚の棚用の溝ですが、ルーターかトリマーを使わないのなら、「畦挽き鋸」で切り込んでからノミで掘って下さい。「キツツキパネルソー」を上手に使えば代用になります。どちらにせよ根気とやる気の見せどころ。

6 固定は、木ネジでと思っていますが、ダボと接着剤で固定しても良いでしょう。ダボと接着剤で固定するには端金で圧力を掛けないと強度が落ちます。

(▼ダボ接ぎ、相欠き接ぎ、溝の断面図を見る)

7 取手は、皆さんで自由にアレンジして下さい。丸、楕円形、ハート型など自由自在

8 蝶番は、市販の薄手を使って、少し切り込んで下さい。また、自分で木製の蝶番を作るのも楽しいものです。「辰巳工房」の蝶番を参考にして下さい。ただし、今回のデザインからして、あまり大きな蝶番は釣り合わないかも知れません。

9 構想を練りながら、また、作っていく過程で、説明の足りない部分がかなりあると思います。例えば、蝶番の取り付け溝やガラスを入れる溝、ダボを使った組立方などたくさんあります。それは皆さんが、それぞれ持っている工具と知恵を使って対処して下さい。いろんな方法があるので、どれが良いかはわかりません。

▼製作工程1の参考画像を見る     ▼製作工程2の参考画像を見る

▼製作工程3の参考画像を見る     ▼製作工程4の参考画像をみる
 
▼製作工程5の参考画像をみる     ▼製作工程6の参考画像をみる

▼製作工程7の参考画像をみる  

組立を完了し、ステインで着色も終わりました。乾燥が済んだら
飾りタイルの周りを処理し、木彫オイルで仕上げをします。




表面のデザインは、製作途中でかなり変更しています。ガラス扉は杉板に
変わり、陶器製のタイルを埋め込みましたがしっくりこないので木製の自作
タイルに変更。  最近カントリーの本を読みすぎて変な影響を受けたのか
濃いステインを塗り、それらしくしてみました。
                  


第3回「あぐら椅子」  
3回目は、突然ホゾ組が入る椅子の製作工程を掲載します。友人の希望であぐらがかける椅子と言うことで図面を引いたのですが、大きさやデザインでどおしてもベンチ風になってしまい、形が決まるまで3年も掛かってしまいました。悩んだ末の形がこのデザインで、良いか悪いかは別にして、CADで書くと形やデザインをある程度確認でき、画像に変換して着色すればイメージも掴むことが出来ます。

1 部材の準備
 平面だしや鉋掛けは省略しますが、画像のように部材を用意します。何回も書きますが、この部材の平面がきちんと出ていないと、組み立てたときに、捻れや隙間が出来ます。
  
 背板のRですが、ベニヤ板の型枠を使いルーターで処理します。外向きのRは(座板がそうですが)鋸と鉋、ノミを使って加工出来ますが、内向きのRはルーターかジグソーで加工しないと気の遠くなる作業になります。

2 ホゾ穴加工
 ホゾ穴の墨だしは、縦線は罫引きで、横線は白書きで正確に入れていきます。この時、余分に引きますと(はみ出すと)傷になるので、どちらかと言うと足らないくらいが丁度良いと思う。



 ホゾ穴を空けるのには、角のみ盤がスピードと正確さから言うと勝る物はありません。画像の「角のみ盤」はマキタの製で、本格的な物ではありませんが、十二分に働いてくれています。
画像の角のみは9.5mmの刃を使い、後で10mmまで手のみで加工します。バイスに固定した部材を少しずつずらして空けます。手で空ける場合は、木工用ドリルで下穴を空けてから、ノミで加工して行くしかないでしょう。

3 ホゾ加工
 ホゾの継ぎ目の部分の線を正確に引き、次にホゾ部の線を罫引きで引きます。まず、縦挽き鋸でホゾ部を、この場合4本挽きます。次に継ぎ目の部分(横)を4面挽き、余分な部分が落とせます。
 画像の鋸は、ゼットソーの8寸目縦挽きで、線からチョイい外側を挽きます。(親指の爪を利用してミリミリの(寸法では表現できない位置)調整をすると上手くいきます。)
 ホゾの継ぎ目の部分は、線のほぼ真上に軽く2mm程度の切り目を、まず4面入れてから(ぐるりと1周)最後に切断箇所まで切ります。

4 組み立て
 椅子の組み立ては、まず始めに左右の面を組みます。ホゾの大きさを、際鉋やノミで調整しながら組みます。
 ここでの重要な点は、ホゾの左右の幅がきついと、組んだときに脚部が縦に割れることがあるので、手で押し込めばなんとか入る程度のきつさにすることです。ホゾ穴は、縦方向には強いのですが、横方向に対しては非常に弱い物です。


 ホゾは予めくさびを打ち込むための切り込みを入れておきます。(鋸などで)また、縦方向に強いと言っても、前脚の最上部などは、端までの寸法が少ないので、画像のように予め長めに作っておき、くさびを打った後で切り落とします。

5 固定
 組み立てた物は、木工ボンドを着けたくさびを打ち込み、端金などで締め付けて一晩固定しておきます。座板は台の部分と直接木ねじなどで固定しないで、駒止と言って木片を介して木ねじで固定します。これは座板が年月とともに収縮する場合に割れたりすることを防ぐのと、補修を容易にするためです。



(▼駒止の参考画像を見る。)

オイルを塗り込み、完成した椅子の画像を見て下さい。
なお、この画像は源さんの作品集の物と同じ画像です。






  

 
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