1(総タイトル) たそがれSpringPoint

1.x 鬱の蝿取壺

1.10057(2001/11/19) 群衆と孤独

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遊園地とかテーマパークなどというところは、子供連れか男女のカップルが行くところだ。私はもう子供ではないし、子供がいるわけでもない。配偶者も恋人もいない。会社の旅行でやむを得ず東京ディズニーリゾートへ行くことになってしまったが、おそらく苦痛に満ちた二日間になるだろうということははなから想像がついていた。

初日はディズニーランドで昼食をとり、会社の人々と一緒に団体でいくつかのアトラクションを巡った。10人以上の大の大人がぞろぞろと列を作って人混みの中を歩き回り、長い行列に並んで順番待ちをするという情景は想像するだけでぞっとするものだが、残念ながらその種の感受性を持ち合わせていない人物が幹事だったので、始終浮かれて軽口を叩いていた。いちおう上司だから、私は適当に相づちを打って話を聞いていたが、内心では早く逃げ出したい一心でいっぱいだった。

午後三時に解散になって皆が三々五々散ってしまうと、私はさっさと会場を後にして京葉線に乗って東京へ向かった。行き先は秋葉原で、レコード店に入るとほっとした。そこで買ったのは、

  1. Budapest Madorigal Choir『MAGNIFICAT』(HUNGAROTON CLASSIC)
  2. 『Magnificat』(EMI CLASSICS)

で、1は順にヴィヴァルディ、カルダーラ、サンマルティーニ、アルビノーニ、ヴィヴァルディの『マニフィカート』を収録したもの。2は二枚組で演奏団体はまちまちだが同じく『マニフィカート』ばかり集めたもので、これも順に作曲者名を挙げると、J.S.バッハ、C.Ph.E.バッハ、ヴェルディ、モンテヴェルディ、シャルパンティエ、ヴィヴァルディ、シューベルトとなっている。2のヴィヴァルディの曲は1の二曲(RV610,RV611)のうちのどちらかと同じ曲ではないかと思うのだが、よくわからない。ヴィヴァルディの音楽はどれも同じに聞こえるから……というわけではなくて、、二曲のマニフィカートは同じ曲の別ヴァージョンらしい。

そろそろクリスマスだからと思って、それにちなんだCDを買ったつもりだったのだが、あとからよく考えてみると、『マニフィカート』はクリスマス音楽ではなかった。どうでもいいけど。

秋葉原からディズニーランドに戻るともう午後八時前だった。まだ何かアトラクションがあったらしいが、一刻も早く去りたかったので、コインロッカーへ預けてあった荷物を取り出してホテルへと向かった。会場では『花のワルツ』が流れていたが、音がひずんでいて耳障りなだけだった。会場にいた人々は朝から晩まで音の洪水を浴びせかけられてどうして平然としていられるのか私には不思議でならない。

二日目はディズニーシーだった。こちらはディズニーランドよりは多少はましだった。一人で会場をぶらぶら歩いて適当に一日を過ごした。歩いていた時間よりベンチに座っていた時間のほうが長かった、ということはなかったと思うが……。ポケットの中には『社会的ひきこもり』(斎藤環/PHP新書)を忍ばせていた。ベンチで本を読んでいるだけでも場違いだが、内容を知ったら皆どう思うだろうか、と考えると少しだけ楽しかった。

この二日間、私はずっと居心地の悪さにつきまとわれていた。「夢の国」も現実社会の延長にすぎない。現実の社会に居心地の悪さを感じる人間がディズニーランドで楽しめるわけもないのだ。私にとっての「夢の国」はたとえば竹本健治の「フォア・フォーズの素数』」(『異形コレクション 玩具館』(井上雅彦/光文社文庫)所収)のような世界だ。そこには飛行機とリムジンバスを使って行くことはできない。が、行こうと思えばいつでもどこでも簡単に行くことができる。

土日の二日ですっかり疲労がたまった私は、今日会社を休んで街へ行った。ちょっとした鬱憤晴らしのつもりで本とCDを買い込んだ。後で数えてみるとCDだけで20枚あった。ちょっと買いすぎたかもしれない。

1.10058(2001/11/20) 音飛び

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1.10059(2001/11/21) 読書感想文の苦痛

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この世には三種類の本がある。非常に面白い本とそこそこ読める本とつまらない本だ。

つまらない本の感想文を書くのは苦痛だ。一刻も忘れたい忌まわしい読書体験を反芻することになるのだから。

非常に面白い本の感想文を書くのもしんどい。その本の面白さを的確に表現し、他人に伝えるのは並大抵ではないから。

そこそこ読める本の場合は……まあ同じことだ。要するにどんな本であっても読書感想文を楽しんで書けることはほとんどない。そんなものを書いている時間があれば次の本を読みたいと思う。

とはいえ、本を読み飛ばしてばかりではなく、何かの形で記録に残しておくことの意義を認めないわけでもない。この「たそがれSpringPoint」で、読んだ本についてコメントを書いている理由の一つはそれだ。後で「ああ、あの頃自分はこんな本を読んでいたのか」と感慨にふけることがあるかもしれない。もちろん、更新ペースを維持するためという目的のほうが大きいことは言うまでもないのだが。

さて、前置きが長くなったが、今日また新書を一冊読み終えた。週末に浦安ネズミ園およびネズミ池のベンチで読んでいた本、『社会的ひきこもり』(斎藤環/PHP新書)だ。筆者は精神科医で、思春期・青年期の精神病理の専門家である。この本には「終わらない思春期」という副題がついていて、そのことからもアプローチの方向性がなんとなくわかる。

この本は上記の三分類のうち「そこそこ読める本」に該当する。臨床家としての経験を踏まえて書かれた一種の実用書でもあり、読み物として楽しいわけではないが、全くつまらないわけでもない。平易な語り口で難しい問題を丁寧に解きほぐして説明してくれるので、読みやすく、またいろいろと考えさせられる点も多い。少なくとも読んで損をしたという気はしなかった。家族が現にひきこもり状態にある、または自分自身が引きこもっているという人なら一読の価値はあるだろうと思う。

1.10060(2001/11/22) なんとなく1000ヒット

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1.10061(2001/11/24) ニュース系

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1.10062(2001/11/24) 日記系

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1.10063(2001/11/25) 電波系

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1.10064(2001/11/25) 103系

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