申す者、水中に入り候て鯨に取り付き、鯨之鼻へ包丁を入れくり抜き、縄を通し、
持双
と申しける船二艘へ太き柱二本を渡し、からみ付け候て、劔を切り候て、鯨を殺し申し候。右持双遅く相成り候ては鯨死に切り候時は銛浮き上がる事なし、右等之駆け引き第一に心掛け申し候事。
右、
一、太地鯨網御免仰せ付けられ候は延宝六午年
(1678年)
一、三輪崎、勝浦、宇久井浦鯨網御免成され候は貞享元年子年
(1684年)
也。
一、鵜殿の梶ヶ鼻、浦神、右両浦、覚右衛門による鯨網の願い出し候は貞享二丑年
(1685年)
。