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玄 関
第1棟の玄関にかかっている黒江塗りの壁画「飛翔」

 正面玄関入った左側に漆絵の「飛翔」が展示されています。この「飛翔」は改装のモニュメントとして作製されました。
製作にあたっては、美術選択の一・二年生よりアイデアを募集し、その中から美術の先生と美術部の生徒がこのアイデアをもとに作品の原画をつくりました。さらに、同窓会のご協力のもと、地元の漆器店を通じて、漆芸家によって完成されたものです。若者が未来に向かって大きく羽ばたこうとする希望にあふれた作品となっています。
黒潮逆巻く波しぶきから生まれた若人たちは、今、太陽と月の限りないエネルギーを全身に浴びながら歩み始めようとしています。
恒久の平和を胸に抱き飛び続ける二羽の純白の鳩、彼らを優しく見守る天使たち。
人類は、未来に向かって羽ばたき、飛躍するのです。その姿はまさしく私たち海南高校に集う若人たちの、未来への飛翔に他なりません。

飛翔
(大86kB)


 製作の苦労
制作過程ですが、この原 画を県デザインセンター(インテリジェントパーク内)で色付けのシュミレーションを行い、それを元にシルクスクリーン用版下原稿を作ります。45皿角67枚、色数とパネルの枚数でそれくらいの版数になります。制作延べ日数二週間です。その後、シルクスクリーン版作成に約一週間を要し、生地パネルに男塗装、下塗り(生地の吸い込みなどをとめる)、中塗り、仕上げ塗りとなります。
 これらの塗り上がったパネルにシルクスクリーン版で一色ずつ刷っていきます。一色刷っては、加減を取り本金、銀、色粉、アルミ、箔など色々な材料で、華飾を加えて複雑な色調を作りだしていきます。これが蒔絵師の仕事です。四人の蒔絵師が延べ日約一ヶ月かけました。
 組み立て展示は漆器組合の方にやっていただきました。もっとも大変だったのは、中心の人物の高蒔絵(盛り上がった部分)の塗料の量が多すぎて、顔やお尻にニキビやあばたのような物ができて、月のクレータのようになる(塗料の乾き加減がその所々で違うため)。これを取るため、磨きと塗りを四、五回くり返したそうです。蒔絵師たちは、「高校生ならこれくらいのニキビはあるで」なんていいながら作業をしたそうです。