China

ッポンのお坊さんは昔、中国にありがたいことが書かれたありがたい巻物を命がけで買いに行きました。その数は莫大なもの。その中にはきっと、笑い話巻物も2、3本まじってたんじゃないかなと。もしまじってたら何かちょっと嬉しい。どこかにそんなの保存してるお寺等ありましたらご連絡下さい。






「女は自分が不美人であることをなかなか理解しない。男は自分がバカであることをなかなか理解しない」
  
光文社 「商売の原則」 邱永漢より

誰しも理解したくないところです。
最近つくづく自分って馬鹿だったんだなーと自分をしみじみ再評価しております。(時々自分は天才か?と思う時もあります。)



小金を借りている男、借金とりが来る度に居留守を使う。ある日も例によって留守だと言ったが、その声は確かに本人なので、
「現にいるのに、なぜ留守だというのだ」
「いや、私は親戚の者だ」
と言い張る。

そこで借金とり、窓の障子に穴をあけて中を覗いてみると確かに本人なのだが、借金している男は腹を立てた。
「あれっぽちの金で、俺の城廓を壊すとはなにごとだ。ちゃんと修繕しなければ払ってはやらぬ」
借金とりは仕方なく、早速穴をふさいだ。
そしてまた催促すると、中から言う。
「見えるかい」
「見えなくなった」
「ならば、やっぱり留守だ」
  
河出文庫 「中国のユーモア」寺尾善雄より

「あっ、このやろう」となります。僕はこれを電車の中で読んでたのですが思わずくすくす笑ってしまいました。何か良いです。人間って実にかわいいなと思います。



ある俗物が贅をつくした家を建て、高価な家具調度、書画骨董をならべ、外には凝った庭園を作った。客を招いて、さんざん自慢したあげくに言った。
「この中に、もし釣り合わぬ物があったら、遠慮なくご教示下さい。取りのけます」
客は言下に言った。
「それは貴殿です」
  
河出文庫 「中国のユーモア」寺尾善雄より

成金の自慢はいつの時代にも浅ましいものです。嫉妬心も手伝って何か一言言ってやりたくなります。



ある新妻、初夜に中へ入れると、
「だめよ」と言うので、むこが、
「出そうか」
「だめよ」
そこで、むこ
「どうすりゃいいのさ」と問えば
「入れたり出したりしてほしいの」
  
社会思想社 「中国笑話集」村山吉ひろより

なるほど、その通り。入れたり出したりの反復運動で男性は果て、女性は恍惚。ただ、入れたり出したりの回数が問題となってきます。その回数が少ない事による痴話ゲンカ、男性は自信喪失、女性は欲求不満。
男性諸君、頑張りましょう!



ある秀才、受験に当り、作文の練習でうんうん言って苦しんでいる。妻見かねて、
「文章を作るのって、ずいぶん難しいものなのですね。まるで、私たちがお産をするのと同じですわ」
と言う。夫答えて、
「お産の方がずっと楽さ」「どうして?」と聞けば
「だって、お前たちのは腹の中にあるものを出すんだが、俺のはもともと腹の中にないものを出そうとしているんだもの」
  
社会思想社 「中国笑話集」村山吉ひろより

確かに苦しい作業であります。
無いものを無理して出しても、どうせロクなものなんか出てきやしない、という事、学生の頃イヤというほど思い知らされました。



閻魔王、地獄の鬼卒に娑婆へ行って名医をさがして来いと命じ、「門前に恨めしげに幽霊の立っていない奴が名医だぞ」と教える。
鬼卒、娑婆に行き医者の門前を通ると、どの医者の門前にも幽霊がいっぱい。ところで、最後にやっと尋ねた医者の門前には、ただひとりの幽霊がさまよっているだけなので、これこそ名医にちがいないと思って聞いてみると、きのう開業したばかりの医者。
  
社会思想社 「中国笑話集」村山吉ひろより

早くも一人殺しちゃったのですね。



足が口に向かい、
「世間でお前ほどいい気なものはいないぞ。俺がさんざん苦労してかけずりまわって持って来たものを、みんなお前が食ってしまう」
と言うと、口、答えて、
「喧嘩はよそうよ。俺も食わないから、お前もかけまわるのをやめたらどうだい」
  
社会思想社 「中国笑話集」村山吉ひろより

「ありゃ、やられた!」と頭をかきむしる足氏の声が聞こえてくるような。足は足の仕事、口は口の仕事、それぞれ頑張って下さい。


さあ、帰ろう!
メニュウへ。