仏手柑

ぶっしゅかんは釈迦の生まれた国インドの原産であり熱帯性のみかん科に属し仏の手の形をしているところからその名が付けられています。


ぶっしゅかんは中国古来より不老長寿の珍果として貴人に珍重され漢方薬や、観賞用盆栽、そして
絵画、彫刻などの美術工芸品の題材として用いられ、ぶっしゅかんの形をした陶器や、置物、絵画
などがロンドンの大英博物館や中国古美術愛好家のもとに大切に所蔵されています。


日本へは中国大陸を経て慶長の頃渡来し生け花、茶室の床にまた商家では瑞兆の果実として
その末広がりの形がよろこばれ商売繁盛を祈って正月に飾られ、婚礼やその他慶事の際にも用い
られてきました。


今もぶっしゅかんの用途は巾広く前記の他、肝臓病、熱冷ましとしての漢方薬、高級菓子の材料に、
また松の内に、うす切りにして煎茶や湯にいれた仏手柑湯をたしなむ習わしなど多くの用途が
あります。
南紀の黒潮と太陽にはぐくまれ育った優雅な香りと姿の仏手柑はひとつの芸術品とも言えましょう。


現在の状況  仏手柑は寒さに弱く樹勢も弱いので和歌山県でもほとんど栽培されていません
        またきれいに指の開いた大果が得られにくい栽培の難しい柑橘と言えます
        今は仏手柑好きの農家が温暖で風の当たらない園地の隅に1〜2本栽培して
        いる程度です。


   利用   高野山では仏手柑の砂糖蜜漬けが桐の箱に入って売られています、
        スナックではこれを薄切りにしてウイスキーのつまみにしている所もあります、
        我が家ではお客様にレモンの代わりに仏手柑の薄切りを紅茶に入れています、
        仏手柑ティーは優雅な香りのひとときを過ごすのにうってつけと言えます。
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