話題の病害虫


 ミカンキロアザミウマ

 この害虫は海外からの進入者で、近年、花を中心に被害を拡大してきましたが、ハウスミカンや露地のカキにも被害を拡大しつつあります。
 普段は雑草の花で生息増殖するので、園地の中や周辺では雑草を生やさないのがよいのですが、そうもいきません。カキ園では着色期になると果実に被害を与えるので、8月までには雑草防除をしておく必要があります。ご注意を!。


左はカキの被害状況  下はミカンキイロアザミウマの成虫







ネギアザミウマ


 今年(平成11年)8月那賀地方の一部でカキにネギアザミウマが発生しました。発生による被害が認められたのは盆過ぎからで、果実に黒褐色の斑点がみられ、ミカンキイロアザミウマの被害によく似ていました。
 被害面積は10haにのぼり、果実への被害程度が大きく、商品価値を著しく落とすとともに、被害が大きい場合は落果現象もみられました。
 この害虫はタマネギ等で発生することがあるが、カキへの被害が認められたのは今回が初めてであり、カキの中でも刀根早生や平無核に多く、富有では少なかった。
 我が国では雌のみの生息で、単為生殖で増殖する。従って、防除薬剤としては合ピレ剤では抵抗性がつきやすいため、この使用はさける。モスピラン水溶剤2000倍は、カキクダアザミウマ等の同時防除として効果がみられる。
 なお、今のところ発生ルート等詳細は不明です。

写真上はネギアザミウマの成虫(体長は1.1〜1.6mm、黄色のものから褐色のものまで変異、夏季は淡色系、冬季は暗色系のものが多い。)

写真左下はネギアザミウマの幼虫  写真右下は平無核の被害状況