3 植物と養分

植物の必要元素 植物の生育に必要な成分、元素がある。最も多量に吸収するものはN(窒素)・P(リン酸)
・K(カリ)の三要素で、ついで、Ca(カルシウム)・Mg(マグネシウム)がよく吸収するよ。
 よく、肥料を購入すると10−10−10とか書いてあるよねあれは窒素・リン酸・カリの%を表しているんだよ。これらのほかに、微量ではあるが必要なものにSi(ケイ素)・S(硫黄)・Fe(鉄) ・Mn(マンガン)・Zn(亜鉛)・Mo(モリブデン)・B(ホウ素)などがある。
植物体を作るタンパク質の主成分であるN(窒素)肥料は雨水で流失したり、ガスに変わって逃げるので分けて施肥するが必要があるし、タンパク質、核酸の主要部分でエネルギーの源となるP(リン酸)肥料は雨水で流失しにくく、 土に吸着されて土中での移動が少ないので元肥に施す。
成分転換・移動の役を担うK(カリ)肥料は雨水で流失したり、粘度に固定されるが過剰の害は ほとんどないので元肥中心に施すといいよ。
Ca(カルシウム)は細胞壁や根の形成に。Mg(マグネシウム)は葉緑体形成に大切ですよ。
養分の補給 養分の吸収率を高めるため、土の条件や作物の種類によって適した肥料を選び、元肥と追肥を上手に使い分け、速効性と緩効性の肥料をうまく組み合わせることが重要で、肥料を施す位置、深さの工夫のほか、有機質(腐植)による土の団粒組織化で肥料の効率を高めることが重要です。
自然界からの養分供給 大気中の78%が窒素であるが、作物はこれを直接利用できないため、アンモニア態や硝酸態にしたN(窒素)肥料を施している。
土壌中の一部の微生物によって空中の窒素が固定される。スイートピー等のマメ科植物の根に根粒をつくる根粒菌は、空気中の窒素を吸ってアンモニアや有機窒素化合物に作る能力をもつことからマメ科植物を作ってN源として利用する事もできるよ。
化学肥料多用の害 根から吸収される養分は無機質の形で吸収されるので、無機態の化学肥料を施すことは能率的であるが、多用すると分解して生じる酸やガスにより土の状態や根の発育を悪する事もある。 その欠点をさけるには肥料を土とよく混ぜあわせる必要があるよ。
元肥だけを一度に多く施すと、根を痛めたり、生育期間の長いものでは生育途中で養分が欠乏するので、生育に応じた必要な量を分けて施肥する。
長い目で見れば、良い植物を作るには、地力を増し、肥料の効きを良くするために、有機質を加えて、 深耕しながら土づくりすることが一番、大切であるでしょう。