2 植物と土壌

土の種類 土は「礫土」、「砂土」、「砂壌土」、「壌土」、「埴壌土」、「埴土」に区分され、作物栽培に
は「砂壌土」、「壌土」、「埴壌土」が適する。
埴土や砂土だけでは作物はよく育たず、適量の腐植(堆肥・植物遺体等の有機物)が混じった土が必要である。
自分の庭の土をよく見て砂等を投入するなど適正なて土壌を作ろう。
作物の生育によい団粒構造 土の粒子が互いにくっつき合って小さな塊り(団粒)を形成している状態を団粒構造という。
団粒の内部は、保水力のある微細な毛管孔隙で形成される。このため、植物の生育にとって都合のよい保水性、透水力、通気性がバランスとれた状態が一番いいんだよ。
酸性土壌 pHとは水素イオンの濃度を示す値である。水素イオン107(pH7)が中性、水素イオンが多いと(pH7より小さい値)酸性、水素イオンが少ないと(pH7より大きい値)アルカリ性である。
多くの作物は中性に近い微酸性を好むが、酸性土壌の中和には石灰類を施してpH6位にする。
 堆肥を使っていればアルカリ成分の流失を少なくし化学肥料の酸性化を中和して極端な酸性やアルカリ性にはなりにくい。
土の性質を良くする腐植 堆肥などの有機物を毎年施していると、その腐食が細かい粘土粒とからみ合って植物の生育によい団粒構造となる。
酸素や水分が適当にある土中は、微生物やミミズなどの好適な棲み家となる。
これらの生物は、腐植を餌にして繁殖し、有機物を分解して、窒素・リン酸 ・カリをはじめ植物の栄養となる物を作り出すよ。
腐植の多い土は、酸性の肥料を施しても土壌は酸性化しにくい、また微生物がたくさん繁殖していると、作物に有害な物質を分解、浄化する作用を増すんだよ。
土の耕耘 土層深くの硬い層を掘り起こし、養分が多い表土を全体に混ぜて均一化することにより、通気性を増して作物の生育を良くする働きがあるよ。
秋起こしは作土を冷たい空気にさらして害虫を殺したり、空気中の酸素を誘い入れて有機物の分解を早めるけど、有機物の少ないやせ土では気温が高まる春起こしがいいんだよ。作付後も植条間の土をほぐすことにより、土壌中の隙間を増し、根に酸素を供給し、雨水などをよく保つよ。また、中耕によって地表の毛細管構造を破砕して地表面からの水分の蒸散を少なくしたり、雑草を除去する事もできるよ。
連作障害 作物によっては同じ場所に同じ作物を作り続ける(連作)と生育が悪くなったりする主な原因は、養分が片寄ったり微量要素が欠乏することや、同じ病害虫が定着・増加したり、作物が出す有害成分の蓄積などが一般的だよ。