感情の見えない女の子。 僕が彼女に抱いたイメージです。 彼女は集団の中でもおとなしくて、いわゆる「影の薄い女の子」でした。 初めて本当の感情を見たのはサークルの合宿の夜の自由時間。 星明かりも無い、真っ暗な夜空の下。 楽しく遊んでいるみんなから離れて、彼女は一人泣いていました。 次の日は人前で練習の成果を披露しなければならない発表の日。 発表のプレッシャーに耐えられすに泣いていた彼女。 僕は慰める言葉も知りませんでした。 ただ、横に座って夜空を眺めながら彼女の話を聞くばかりでした。 その夜、彼女は色々なことを話して聞かせてくれました。 サークルの事、友達の事、そして自信の持てない自分の事・・・ それは彼女との心の距離を一歩一歩埋めてゆく物でした。 大人しい彼女が、本当はよく笑うことを知ったのもこの夜でした。 彼女が笑うとほんわかしてくる・・・ そんな不思議な魅力を持った女の子でした。 そんな彼女が自分に自信を持てる時を、僕は楽しみにしています。 多分、その時は彼女の一番素晴らしい笑顔を見れる時だと思うから・・・