Title



 ■封神演義

 皆さんは「封神演義」をご存じでしょうか?
 私の専攻分野である中国文学の中でも一二を争う超一級の小説です。
 一昔前までは「知る人ぞ知る」という感じの知名度(日本ではですよ)の作品だったのですが、最近ブームになりつつあります。
 そして、その立役者は「週刊ジャンプ」で「藤崎竜」さんが連載されている「封神演義」と呼ばれる漫画だということは異論のないところでしょう。
 私もこの漫画は拝読させて頂いているのですが、かなり原作とは異なっています。
 たとえば、宰相の商容や比干が出てこないとか、聞仲の「金鞭」が「禁鞭」になっているとか、黄飛虎が料理していたり(笑)・・・相違点は多々あります。
 漫画版「封神演義」は絵が綺麗だし読みやすい。それは確かです。
 勿論、小説と漫画は別物だと判っているつもりです。
 しかし、納得がいかない点があります。
 何故かといえば、漫画を読んで「封神演義」に興味を持った子が、原作を読んで失望しているのを何回も目の当たりにしているからです。
 具体例を挙げれば、「聞仲が小説ではあまりかっこよくない・・・」とか、「ストーリーがかなり違う」とかです。
 出来れば、そういう子のためにもう少し原作と違和感がないように話を展開させてほしいです。
 「封神演義」という小説を世に知らしめた氏の功績を高く評価するが故にあえて苦言を呈してみました。
 今回は漫画の「封神演義」を中心にして書きましたが、以降、小説の「封神演義」についても書くつもりです。

 前のべーじに戻る