’98「NEW教育とマイコン」1月号 ”特集2 パソコン活用実践の過去・現在・未来”掲載

1 始めたばかりの頃の実践内容

 はじめは試行錯誤でした。子ども達の感覚では遊びながら,学習がすすめられる環境づくりをしたいと願い,タートルの動きを見ながら自分の考えを確かめていくことができるLOGOを中心にパソコン活用を図りました。「円とは,1点から等距離にある点で囲まれた図形であること」を発見させるために,1990年"宝さがし"ゲーム(NEW'95/8月号添付)を作成したのが,実践の始まりでした。
 当時,事務用として導入されていたパソコン1台を,小規模校の子ども達8人で使っていました。

2 現在の実践

 効果的な場面でパソコンを活用するために教科と単元を精選し,教材研究をすすめています。その結果,算数科を中心に約50本の自作ソフトを蓄積することができました。そして,子ども達は,考えたり思ったりしたことをワープロソフトや図形処理ソフトなどを使い,自由に表現しています。現在,これまでに蓄積してきた自作・市販ソフトを日常的に活用し,コンピュータリテラシーを系統的に育成するために,「学年別年間指導計画」を作成しています。毎週1時間のコンピュータ・タイムは,コンピュータ専科と学級担任がTTで授業を行っています。
 1997度,主体的な学習を組織・支援することを目標に,クラス別テーマを設けました。このテーマに沿って1年間取り組みをすすめます。第4学年では,「私たちの和歌山県調べ」(社会科)に取り組んでいます。和歌山県の地勢・産業等について副読本などの資料をもとに調べ学習を行い,電子紙芝居ソフトで概要をまとめました。そして,県内の子ども達と交流(親睦)を深めながら,子ども達の目線で捉えているくらしの情報を交換します。本校が山林の多い地域にあるため,海が近くにある学校と県庁所在地にある学校と交流学習を始めました。インターネット上の電子掲示板に「学校・まち紹介」「調べたこと」「質問したいこと」を書き込んでいます。また,画像は,電子メールに添付したりホームページにリンクしたりしながら,学習をすすめています。
 「思考力」を主題としたインタラクティブな学習環境づくりは,その後「豊かな思考・表現・コミュニケーションを目指して」へと研究主題を発展させ,より幅広い活用を追求しています。

3 将来の実践

 インターネットを通して,教室や学校の枠にとらわれず全国・世界に向かって情報を発信し収集します。多くの人々と交流することで,学びの世界が広がることを期待しています。いつでもどこでもインターネットが活用できるよう,条件を整備しなければなりません。子ども達が見出した課題を自由に解決できる「ゆとり」が,学びの質を高めます。一つの疑問を解き明かすと新たな疑問が湧き起こる,知的好奇心を刺激し続ける学習環境を構築していく必要があります。
 これからの授業では,子どもと子ども,子どもと教師が,それぞれの特性と個性を発揮し合いながら課題を解決していくことが,求められます。思考を客観的に見直し練り上げていくツールとして,またその成果を表現しコミュニケーションするツールとして,パソコンはますます有効となります。
 教科書と黒板とチョークは授業に不可欠なものとして固定的に考えないこと,当たり前だと思っていた方法を疑ってみること,パソコンという未知のツールを用い新しいことに挑戦すること,これらのことが私たち未来に生きる教師にとって大切であると思います。

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