グループ活動を活性化させるための学習環境の整備
−総合的な学習に対応した”コラボレーション・スペース”づくりの試み−

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1)導入の目的
総合的な学習において課題を追究する場合,地域に出かけ取材をしたり情報を整理したり,まとめる段階では児童が共同して学習を行う,グループ活動が重要となる。このグループ活動を活発にすることにより,他の考えとの共通点や相違点が発見でき,個人レベルあるは学級全体での課題意識の深まりが期待できる。グループ活動を重点においた「総合的な学習の時間に対応した学習環境の整備」を行う。36人学級で1グループを4人から6人で構成した場合,グループ数は最大9となる。そこで,空き教室を利用して7台のコンピュータを配置し,「総合的な学習に対応した学習環境」として”コラボレーション・スペース(仮称)”を整備する計画を立案した。テレビ録画機能もった教師用コンピュータを活用することによりこれまでの放送教育と情報教育・総合的な学習との統合を図る意味の「コラボレーション」効果も期待している。導入されるコンピュータには最新のOSであるWindowsMeが搭載されノンリニアビデオ編集が簡単に行われ,容量の大きい動画データ保存が可能なCD-RW,DVD-ROMドライブも標準装備されており,多様な学習活動に対応できる。

コラボレーション・スペース
コラボレーション・スペース”のイメージ図


2)学習計画との関連・効果
テレビ録画ができる教師用コンピュータでNHK教育テレビ番組を編集し,学習活動の動機づけなどに活用する。たとえば,環境問題を総合的な学習で取り上げる場合,「NHKスペシャル エネルギーシフト@電力革命がはじまった・ヨーロッパ・市民の選択」をコンピュータに録画し必要に応じて短縮したり,または次の「エネルギーシフトAクルマが変わる・世界が変わる・水素で走る燃料電池車」などとつなぎ合わせたり,児童の実態に合わせて,視聴させ興味関心を高める。これまでのビデオ編集に比べ操作手順が簡単な上,動画から静止画の切り取りなど利用範囲は広い。放送教材の活用を積極的にすすめる。また,課題解決における情報の収集・判断・表現・処理・創造・発信・伝達が円滑に行えるよう必要な情報機器の整備を行った。同時に話し合い活動や手作業および共同作業を重視し,この「コラボレーション・スペース」では,グループ活動の支援に重点を置いた。予想される学習活動の流れは,以下のとおりである。

(1) 総合的な学習におけるテーマが決定すると,各グループで調べ学習を行う。実際に地域に出かけインタビューをしたりデジカメ・ビデオで撮影したり,情報の収集活動を行う。また,インターネット情報検索や電子メールでの問い合わせ,CD-ROM百科事典(エンカルタ総合大百科2001)・図書室の本なども利用して課題解決に役立つ情報を収集する。この場合,活動計画に基づいて各グループごとに役割分担を明確にさせておく。

(2) 収集した情報は教師用コンピュータの共有フォルダに集め,学級やグループ単位で'HYPERcubeネットJr.を活用して共同作業を行う。WindowsMeの[MyPicture]や[ムービーメーカー]を利用すれば,基本的な画像処理は児童用コンピュータ6台すべて行える。しかし,プレゼンテーション作品をとして仕上げる段階で高度な作業が必要な場合,静止画編集ソフトPaintShopPro6.0Jを7本(児童用コンピュータ6台分・教師用コンピュータ1台分)と,動画用編集ソフトMediaStudio Pro 6.0Jを4本(児童用コンピュータ3台分・教師用コンピュータ1台分)を活用する。

(3) 液晶プロジェクターやカラーイメージスキャナーなどを活用し,各グループでの調べ学習の成果を整理して発表する。他府県の学校と交流学習を行う場合は,電子メールやメーリングリストなどを利用して調べ学習の中間報告なども行いながら情報交換を行う。最終の成果発表では,ホームページビルダー V6(将来2年間の無料バージョンアップ契約版)を使って学校のホームページで公開する。著作権法・個人情報保護に関する法令などを配慮しながら地域への「開かれた学校」をも視野に入れ,積極的にホームページでの公開をすすめる。また,NetMeetingを利用したリアルタイムの交流学習も実施する。TV会議による遠隔共同学習は,子どもたちにとって「調べたことを遠隔地の友達に分かりやすく伝えなければならない,伝えたくなる」「日本各地のさまざまな生きた地域情報が交換できる」,学習環境の場となる。