コンピュータ教育カリキュラム案   

  

’94/11/8  高野町教育研究会コンピュータ部

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’94「NEW教育とマイコン」3月号 ”掲示板・パソコンクラブ児童作品紹介”掲載
’94「NEW教育とマイコン」4月号 ”掲示板・パソコンクラブ紹介” 掲載
’94「NEW教育とマイコン」5月号 ”ソフト&データプレゼント特集/楽しいお絵描きでパソコンリテラシーを育成”掲載
’95「NEW教育とマイコン」8月号 ”特集・コンピュータの活用であなたの授業はこう変わる
                     /豊かな授業設計があれば、プログラミングは難しくない”掲載
その他(平成5年度 和歌山県教育研究奨励賞受賞/平成6年度 テレビ和歌山放映・読売新聞掲載 など)

コンピュータ教育カリキュラム細案
−ワープロ活用編−
コンピュータ教育カリキュラム細案
−ネットワーク社会におけるデータベース活用編−


 高野町内の全小学校・中学校に学習指導用としてコンピュータが平成3年度より導入され,情報化社会への対応がすすめられている。研究組織としては,高野町教育研究会コンピュータ部と各学校のコンピュータ主任を中心とする校内研究体制,コンピュータ主任者会が確立された。組織体系と研究課題は,以下の通りである。
各学校の研究組織
コンピュータ主任
高野町内コンピュータ主任者会 ←→ 高野町教育研究会 コンピュータ部

 

■研究課題と各組織の位置付け■ 
(1)高度情報化社会への対応,学習指導におけるコンピュータの効果的な活用法などを研究課題とする。
(2)教育研究会コンピュータ部は必要に応じて講習会を開催し,コンピュータ教育推進のための諸課題や基本方針などを提起する。 
(3)コンピュータ主任者会で先の諸課題や基本方針などについて研究協議する。 
(4)各学校において主任を中心にコンピュータ教育の具体的な方針,カリキュラムを作成し実践を行う。
小学校・中学校の系統的な指導ができるよう,ここにコンピュータ教育カリキュラム案を作成した。
各学校において児童・生徒の発達段階と地域の特性に即した実践と討議を重ね,より深めていきたい。
1 情報化社会の進展  
  「今日,我が国では,コンピュータ等の情報機器が社会の様々な分野に入り込み,我々の日常生活に大きな変化をもたらしている。」(「情報教育に関する手引き」文部省)と指摘されるように,情報化の進展度が飛躍的に高まってきている。技術革新の視点から歴史を振り返ってみると,3つのポイントが挙げられる。第1のポイントは,直立歩行が可能になったことによって,人間の手が自由になり,道具の制作ができるようになったことである。第2のポイントは,産業革命における蒸気機関の発明である。これまで,人力,家畜,水車など様々な動力を活用してきたが,蒸気力は原動機としてばかりでなく交通運輸のための動力としても活かされ,エネルギーの概念を生み出した。第3のポイントは,情報技術の展開である。コンピュータの出現が社会を高度情報化社会へと発展させてきた。
 情報化の特徴は,次の4点にまとめることができる。第1は,情報のデジタル化である。1と0の2進法数値によって,あらゆる情報をデジタル形態に変換する。音楽や絵画などのアナログ情報もデジタル化することにコンピュータで処理できるようになった。第2は,情報処理と通信とのネットワーク化である。伝送速度が電話回線の約4000〜65000倍くらいである。光ファイバーで全米の公共機関,研究教育機関,企業などをネットワークで結ぼうとする情報スーパー・ハイウェイ構想がある。また世界で初めて半導体企業の集積が形成されたシリコン・バレーは,情報化社会のモデルとして有名である。第3は,情報のデータベース化である。膨大な情報を蓄積し必要に応じて検索・利用できる。第4は,マルチメディアである。 「要するにマルチメディアとは『デジタルな融合のテクノロジー』に他ならならないのである。デジタルな数値情報だからコンピュータで統一処理できるわけで,コンピュータをはじめとするコンピュータは各種の情報をのせる″デジタル・プラットフォーム″となる。」(「マルチメディア」西垣通) グーテンベルクの活版印刷に匹敵するコミュニケーション 革命であるとも言われている。人間とメディアとの双方向的コミュニケーションが可能となり,利用者は主体的・能動的に必要とする情報を入手できるようになる。

2 情報化に対応する教育 
(1)学校教育の役割  
  「情報化社会に対応する初等中等教育の在り方に関する調査研究協力者会 議第一次審議とりまとめ」より引用する。「学校教育は,子供達に過去の貴重な文化遺産を適切に伝えると同時に,また,科学技術の進展等社会変化に伴い生み出される新しい知識,技術についても,将来必要とされるものを選択し,指導する役割をもつ。したがって,その教育内容・方法は,時代の進展,社会の変化に応じて,改善・充実が図られていくものである。」  コンピュータを教育に生かそうとするとき,様々な可能性がでてくる。教師は,コンピュータを使うことによって今までない新しいことができないだろうかと教材を見直す。そして,教材研究を深め,従来の教育方法のよさを再認識したり,違った視点から授業設計を立てることができそうである。児童・生徒は,鉛筆とノートという文房具とともに,思考・表現・コミュニケーションとしてのツールとしてコンピュータを活用することができる。 
  「ことに,今後一層の進展が予想される情報化に対して,学校教育は無縁ではあり得ない。すでに学校に学ぶ子供の周辺が情報化社会の各種のメディアに取り囲まれていることも十分考慮しつつ,将来の高度情報化社会に生きる子供達に必要な資質を養うための方途を工夫する必要がある。」 義務教育9年間を見通し,系統的に指導しなければならない。その際,情報教育で修得した知識・技能などが学習指導に生かせるように関連性も考慮したい。 
  「また,教師の職務内容も情報化に伴い,変化をきたすことが考えられ,教員養成段階も含めて,教師の情報化への適切な対応が迫られている。」 高野町では,教育研究会コンピュータ部を設立し,職員研修・教材開発などを行っている。特に,重要な点は,「授業をもっと楽しく生き生きさせるのにはどうするばよいか」「高度情報化社会で主体的に生きるために必要なものは何か」などを十分に討議することである。目指すべき到達点とそれへ通じる道標を,職員全員で確認することが求められている。  

(2)情報処理過程の概要  
大 き さ
呼び出し時間
コンピューターのCPU
10,000,000ビット
0.000001秒
人間のWM
5ビット
0.025秒
コンピューターの容量
無限
0.001秒
人間のLTM
1,000,000,000ビット
0.200秒
CPU=中央処理装置,WM=作動記憶,LMT=長期記憶(表1)
「大きさと呼び出し時間から見た人間とコンピューターの記憶の比較」

                                                       

実行コントロール

←←




←←←
予想・見通し
環境 ↓   ↓  ↓ {コンピュータ}
効果器
反応/生成器
↑ ↑ ↑
↓ ↓ ↓
受容器
感覚登録器
 →
課題
把握
 短期記憶
表象の操作
と変換機能
検索→
←符号化
長期記憶

命題ネットワーク

R.M.Gagneの情報処理モデルを参考に模式図を設定した(表2) 

  
  技術革新と社会の情報化によって生活のあらゆる場面でコンピュータを使用することが多くなってきた今日,教育面での活用方法を研究していかなければならない。そこで,まず,人間とコンピュータを表1のように比較してみる。記憶容量と呼び出し速度では圧倒的にコンピュータの方が勝っている。 「…記憶内における情報をリハルしないと約10秒で消失してしまうからである(Murdock1961参照)。」「ミラー(Miller1956)によれば,短期記憶では7±2単位の情報を保持でき,サイモン(Simon1974)の説では約5単位にすぎないのである。」(「学習指導と認知心理学」E・D・ガニエ)このように短期記憶(作動記憶)の容量が小さいので,様々な工夫がされている。課題を解決しようとするとき,必要と思われる情報を収集しなければならない。人間の場合,記憶容量に制限があるので,長期記憶内において関連する知識を隣接させネットワークを形成している。このことによって,あるアイデアに対して連想的にいくつものアイデアを思い浮べることができるのである。そして,もう一つは暗算をしたり文章を読解する過程で情報を一時的に貯蔵しなければならない。このようにして貯 蔵された内容が課題解決の際に利用される。操作技能に習熟していない場合には,一つ一つの手順を確認しながら実行しなければならない。時には独り言を言いながら操作しなければならないかもしれない。練習とフィールドバックを積み重ねることによって,手順が自動化される。自動化されることによって操作制御のための容量が軽減され,より高次な心的活動ができるようになる。 
 情報処理システムには,長期記憶内の情報を検索する機能と,作動記憶の情報を符号化し,既存の情報と統合されることによって新たな知識を生み出す機能がある。この新たな知識は,関連性のある他の知識とともにネットワーク化され,長期記憶内に貯蔵される。

3 教科指導におけるコンピュータ活用                                       
(1)コンピュータの活用形態 
 思考力を高める学習指導のあり方の研究としては,多様な面からの研究方法が考えられているが,その一つの手段として,コンピュータを活用した利用方法がある。説明と質問を繰り返し児童・生徒の知識や技術の修得を助けるチュートリアル型,学習内容の定着を図るドリル・プラクティス型,実際には観察できにくい現象や条件によって変化する事象などを模擬的に提示するシミュレーション型などがある。これらの方法には,コンピュータの画面が変化に富み,児童・生徒に興味と関心をもたせやすいことや,児童・生徒一人一人の習熟度や学習ペースに応じた指導ができやすいなどの利点がある。これらの利点を生かし,次のような活用形態が考えられる。 
@シミュレーション型(コンピュータで疑似体験をする) 
Aチュ−トリアル型(コンピュータで発問や助言,指示を与える) 
Bデータベース型(問題解決のためのデータを収集,選択する) 
Cプレゼンテーション型(提示手段としてコンピュータを活用する) 
D試行錯誤型(問題解決に対する考えをプログラム化し,画面上で試行する) 
Eゲーム型(興味・関心を高めるのに活用する) 
Fドリル型(学習の定着を図る) 
Gツール型(操作活動の道具として,コンピュータを活用し,課題を解決する)

(2)思考力を高める指導過程

《課題提示》   身近な生活と学習を関連させた場面を,コンピュータ等で設定する。        
  ↓       (興味・関心・意欲づけ)       
  ↓       (Aチュ−トリアル型での活用)(Eゲーム型での活用)(Fドリル型での活用)
《発表》      課題を明確化する。  
  ↓
【見通し】     既習事項と関連づけながら自由な発想やひらめきを大切にし,解決方法につい
  ↓        て複数の見通しをもつ。  
  ↓ 
【考えの整理】  思考と表現の道具としてコンピュータを活用する。        
            (Bデータベース型での活用)      
  ↓↑      コンピュータとの対話で考えを一つ一つ確かめながら課題解決をすすめる。        
            (D試行錯誤型での活用)(Gツール型での活用)
【考えの検証】  これで課題は解決できそうかもっといい考えはないかなどと検討する。        
  ↓        (@シミュレーション型での活用)
《発表》       他の考えや意見と比較検討し,自分の考えを深める。        
  ↓        (Cプレゼンテーション型での活用)
《まとめ》      学級全体で出された考えを整理し,一般化する。        
  ↓        (Aチュ−トリアル型での活用)
【《発展》】     学級集団として,共通課題を整理し,次の学習課題へ位置付ける。個人として
           深めたい課題を見つける。
《 》集団思考    【 】個人思考
ア.課題提示の場面では,学習の目標を知らせるとともに,児童・生徒の興味関心を引き出し,親近感がもてるような教材を用意しなければならない。例えば,分数や小数を指導するとき,はしたを表わすための分数であり小数であるという意味をしっかり理解させることが求められる。このことによって学習内容が確実に定着するばかりでなく,実生活との関連が明確になる。そして,学ぶ喜び,意欲が生まれる。
 自己教育力の重要な柱となる。もう一つ大切なことは,課題解決に必要な既習事項を確実にしておくことである。新しい課題に対して必要な知識や技能を個別学習で調査し,必要に応じてフィールドバックする。個別指導,一斉指導,グループ学習との総合的な計画を立て,個に応じた教育を行いたい。  

イ.思考力の育成−集団討議
 思考力を高めるには,集団思考が不可欠である。学級集団で多種多様な考えに触れることによって自分の考えを深めたり,新たな発想を生み出すこと ができる。しかし,問題は,活発な討議をどう組織するかである。自分の考えをもたず,友達の考えや意見を聞くだけでも深められるが,やはり自分の考えをもって比較検討する方がはるかに効果的である。また,考えをもつことによって発表への意欲が刺激され,学級全体での集団討議が組織される。

ウ.個人思考の充実  
 課題に対する解決方法が見い出すことができないのは,「濃霧がかかる」 「糸がからむ」状態に似ている。手探りで周りの状況を調べ目的地までの道のりを見当つける。また,からまった糸の場合は,もつれ具合をじっくり観察し,一つ一つときほぐす必要がある。作動記憶内で解決方法が一筋の糸のように見通せることが理想的であるが,必ずしもそうはいかない。長期記憶内から課題となっている問題とよく似たものを選び出し,解決の方針を立てる。例えば,課題解決に対して下記のような方針が立てば理想的である。そして,方針をコンピュータ画面上でモニタリングし,課題解決までの過程をステップごとに確認していく。         
                    A→B→C→D→……→課題解決 
 
  Aのチェックポイントについて「こうすれば,こうなるだろう」「そうすると,次はああして・・・」と解決方法とその結果を予想していく。個人思考の段階でAのチェックポイントの結果の見通しが明確にならないと,B以降のチェックポイントに影響が及ぶ。これら一連の個人思考を従来のやり方として,鉛筆とノートで行ってきたが,児童・生徒が思考したことを客観的に見直すようにさせるのはむずかしい。Aの次に何をしたらいいのか,チェックポイントを次々と見いだしにくい。そればかりかAを実行することが本当に課題解決につながるのかの点検も困難になってくる。個人思考を深めるためにはどうすればよいか。その手段の一つとして,コンピュータとの対話で思考を一つずつ確かめながらすすめていく。一つのポイントの結果をみて,よければ次はどうするか,うまくいかなければどこを修正すればよいか,などを考えていく。コンピュータは機械であるので,命令された通りにコマンドを処理し,瞬時に結果を表示する。人に考えを聞いてもらい,意見を求めるのとは本質的に違う。
  コンピュータは,思考の結果を「純粋に」「確実に」かえしてくれる応答性に富んでいる。このように応答性に富んだコンピュータを課題解決に活用することによって,児童・生徒の活動意欲を喚起することができる。その場合,自由な発想で試行錯誤することが重要である。コンピュータで展開される「世界」は修正が容易にできるので,失敗を恐れずに挑戦することができる。教師の役割は,適切な助言と評価を与えることである。課題解決とは,既習事項を生かしながら新しい問題に取り組むことである。解決方法を見いだしにくい児童・生徒には,「以前に似たような問題を見たことがないか」「役に立ちそうこと(知識・定理)はないか」などというアドバイスを与える。必ず自力で解決した喜びを経験させたい。

(3)研究方法と校内組織の確立  
  「おもしろい」「驚き,感動する」「生き生きと活動する」などの要素が,魅力的な授業の条件として考えられる。そのためには,教材を深く研究することが必要である。児童・生徒の興味関心と既に獲得されている知識・技能,教師としての指導目標との間をうめるのが,学習指導案である。授業における,学習の目標,内容,方法,形態,指導の方針,児童・生徒の実態などの諸条件を明らかにし,それらの展開シミュレーションに沿って記述される。 
 各部会(低・中・高)等で教材研究を行い,研究授業を実施する。共同 研究することによって,様々な角度から検討することができる。授業で使われるプログラムはコンピュータ部やコンピュータ主任等が作成したり,パソコン通信にアップされているデータを利用したりする。授業を目標達成のためのシステムとしてとらえ,授業設計を行う。実践された授業を通して仮説を検証し,目標に対する評価・改善をし,より望ましい授業システムを構築していく。作成された指導案や自作プログラムなどはライブラリ化し,今後の資料としたい。

4 コンピュータリテラシーを養う
(1)CLの取り組み
 小学校中学年以上の児童・生徒を対象にコンピュータリテラシーを育成するために,系統的な指導を行う。その場合,各学年の発達段階や学習指導との関連を考慮しながら指導を行う。特にコンピュータを活用することの意義の一つにコンピュータ通信がある。
 その教育的利用として,電子メールなどによる遠隔地との交流,新聞記事や文献に関するデータベースにアクセスし,資料を収集し,調査報告をする。新しいコミュニケーション手段としてのコンピュータを経験させたい。
(2)コンピュータクラブでコンピュータリテラシーを養う。−小学校段階− 
ア.基本的な考え方  
 小学校では,学習指導とクラブ活動において両者を関連させながらコンピュータを活用することが,考えられる。特に入門期においては,「コンピュータを使っておもしろかった」「役に立った」などと,子どもたちが実感できるような素敵な出会いにしたいものである。
 また,高度情報化社会で主体的な生き方ができるために,情報の概念,人間とコンピュータとの関係などについての基礎を養いたいと思う。 
イ.コンピュータクラブの活動(12時間)
▼年間指導計画案(概要)
《第3学年・1学期》(4時間) SGTIによるアニメーション作りの基本操作の習得
《第3学年・2学期》(5時間) SGTIによるアニメーション作りと作品発表会
《第3学年・3学期》(3時間) タイピング練習(カナ文字入力)
《第4学年・1学期》(4時間) LOGOによるプログラミングの基本操作の習得
《第4学年・2学期》(5時間) LOGOの基本コマンドによる図形の作図
《第4学年・3学期》(3時間) LOGOによるグラフィック・アニメーションのプログラム作成
《第5学年・1学期》(4時間) タイピング練習(ローマ字入力)
《第5学年・2学期》(5時間) 統合ソフト(HYPERcube2,マム)の基本構造理解と文書作成
《第5学年・3学期》(3時間) 図形の作成
《第6学年・1学期》(5時間) 集計表とデータベース作成
《第6学年・2学期》(2時間) 図形や写真などの取り込み
《第6学年・3学期》(5時間) コンピュータによる卒業文集の作成
(3)「情報基礎」学習を中心としたコンピュータ教育−中学校段階−
ア.基本的な考え方
 小学校段階ではコンピュータについて,下記のような基本操作技術が修得されていることを前提としている。中学校段階では学習指導における活用を重視し,必要な操作技能は必要に応じて指導する。情報基礎では,義務教育9か年間のコンピュータ教育の総仕上げとして位置付ける。
  た,コンピュータ制御の指導についても今後検討していきたい。(使用システム「オートマ君」 LEGO TC logoなど) 
*電源の入れ方,切り方 
*フロッピィディスクの扱い方 
*基本的なタイピング技能 
*文字入力と漢字変換技能 
*ワープロ,グラッフィクなどの操作を通してコンピュータのイメージ把握
イ.情報基礎指導計画(30時間)
《情報と生活》(2時間) コンピュータの歴史と今後のマルチメディア展望(1) 生活の中での情報処理(1)
《基本構成と基礎的操作》(2時間) コンピュータの各部の名称とその役割(1) コンピュータの情報処理概要(1)
《応用ソフト活用》(15時間)HYPERcube2,マイトーク,K−NETなど ワープロ,グラフィック,表計算,データベースの活用方法(8) コンピュータ通信(3) 自由研究課題の作品作り(4) 作品発表会(1)
《プログラミング》BASIC,LOGO,KiTEDなどを選択(10時間) 基本コマンドの修得(3) プログラムの作成手順と方法(2) プログラム作成(4) 作品発表会(1)
《情報活用》(3時間) 情報収集の方法と活用(1) 情報とモラル(1) 高度情報化社会への期待と課題について(1)

5 まとめ
(1)主人公は君だ
 町内では,計算・漢字の習熟を図るために低学年からコンピュータをドリルとして活用する一方,思考力を高めるために自作ソフトを利用した授業を行っている。コンピュータは,自動的に問題を提示し解答の正誤を判定をする。キーを押すだけできれいな図形のシミュレーションを提示する。これでは,コンピュータを便利であると同時に「ブラックボックス的な」道具であるという印象で子どもたちが捉らえてしまう危険性がある。
 中学年から始まるコンピュータクラブでは,コンピュータから命令を与えられるのではなく,自分がコンピュータに与える経験をさせたい。あくまでも主体は人間であり,コンピュータは一つの道具であることをしっかりと認識させてたいと願う。そして,学習活動においてコンピュータを有効に活用するために操作技術などに習熟させたい。

(2)系統的な指導計画と共感の心
  コンピュータを学習指導やクラブで活用するとき,教師はソフトの様々な機能を説明し,その習熟を図ろうと懸命に指導することが多いのではないだろうか。これでは子どもたちの興味関心も薄らいでしまう。そこで,例えばSGTIの紹介をする場合,まずキー入力で図形を発生させる機能を少しだけデモンストレーションし,後は子どもたちが満足するまで遊ばせる。この間,教師は実態に即した系統的な指導計画に基づき,必要に応じてアドバイスや励ましの言葉を与えるだけでよい。
 課題に対してその解決の方法と結果の見通しが立つとき,子どもたちは,「自主的に」「意欲的に」なれる。子どもたちは課題を自力で解決することによって自信をつける。そして,新たな課題を見つけようと努力する。教師はコンピュータを使って試行錯誤しながら課題解決に取り組んでいる姿に共感し,じっくり付き合えるゆとりをもちたいと思う。
 教師は,コンピュータという全く新しい道具を教育に生かそうとすることによって既成の教育方法,場合によっては教育のあり方そのものを根本的に見直すことができる。今までの教育で本当に良かったのだろうか,もっと良い方法はないのだろ うかと一度全てのものに疑問をもつことが必要です。そのことによって,その良さを再認識することも,全く新しい発想を生み出すこともできる。実は,教師自身が高度情報化社会にどう対応するのかが問われているのである。