1998年度<研 究  主 題>

コンピュータを主体的に活かす児童の育成
−豊かな思考・表現・コミュニケーションを目指して−

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1 主題設定の理由

  今求められれている教育は,自ら学ぶ意欲と,国際化・情報など社会の変化に主体的に対応できる資質と能力の育成である。そのため,思考を客観的に見直し練り上げていくツールとして,その成果を文章や画像などを組み合わせながら表現し,コミュニケーションするツールとして,コンピュータを幅広く活用していくことが有効であると考え,実践を進めてきた。
 今年度,町内の小中学校7校と教育委員会等でイントラネットが整備され,全クライアントからインターネットへの接続が可能となった。この条件整備のもとインターネットを通して,教室や学校の枠にとらわれず全国・世界に向かって情報を発信収集していく。そして,多くの人々と交流することで,学びの世界を広げたい。
  さらに子ども達が見いだした課題を自由に解決していく総合的学習を取り入れ,学びの質を高めたい。学級・グループあるいは個人別に追究したいテーマを設定し,課題解決に取り組む。テーマは,複数の教科学習の発展として位置づけ,学ぶ喜びが,次の課題へ挑戦する意欲となるよう創意工夫する。また,コンピュータを課題解決に有効活用できるよう,コンピュータリテラシーを系統的に育成しながら教科学習においても必要に応じてその適応を図る。コンピュータを,一人ひとりの可能性を伸ばし,それぞれの夢を実現する身近で有効なツールとしたい。
 これらの取り組みを支えるために,知的好奇心を刺激する学習環境の構築も必要である。
 
研究課題
(1) 総合的学習のあり方を研究する。
(2) 知的好奇心をする学習環境の構築について研究する。
(3)課題解決におけるコンピュータの活用意義・方法を研究する。
(4)系統的な情報活用能力育成カリキュラムを作成する。

2 具体的な指導計画

(1)基本方針
課題解決における思考・表現・コミュニケーションのツールとして,児童がコンピュータを主体的に活用する。
<思考について>
コンピュータ画面上で再現される映像に働きかけることによって,すぐ応答が求められるだけでなく,順序を変えたり,他の条件と付け替えたり,それをつなげたりすることで思考結果をモニタリングできる。柔軟で相互作用性に富んだ学習活動を支援する。
<表現について>
ワープロ機能により,見え隠れするひらめきやアイデア,思いなどを手軽に書き留めておき,編集・校正機能を使って推敲すれば文章の構想を練ることに専念できる。また,図形処理機能によりビジュアルな表現活動もできる。自分の考えや思いなどをまとめたり,他へ伝えたりする際,これらを効果的に組み合わせる。
<コミュニケーションについて>
コンピュータ教室のLAN機能で個人思考の結果を学級全体へ伝えることができ,個々の思いを交流することにより集団思考を深めることができる。イントラネット環境により町内全小・中学校がネットワーク化され,遠隔共同学習などが可能となる。インターネットやテレビ会議システムの利用とあわせて,様々な形態の交流学習が行える。そして,学習だけでにとどまらず,コミュニケーションを通して自分自身や地域を見つめ直すこともできる。

(2)実践方法
■これまでに蓄積してきた市販・自作ソフトを活用した教科学習は,学習の目標や児童の実態に即して,必要に応じて学級担任とコンピュータ専科が指導を行う。保有ソフトは,教科によって数量の差があるものの全学年・全教科において整備しつつある。今後も主体的な学習活動を支援できるよう自作ソフト作成をすすめ,WINDOWS版ソフトへの対応も考慮する。新しいソフトは,日常的な活用を図るために「コンピュータ教育年間指導計画」に掲載し,学習指導案とともにデータベース化しながら,ホームページにおいて情報を発信していく。
■コンピュータリテラシー育成指導(ワープロ・表計算・図形処理・データベース・プレゼンテーションなど)は,各学年ごとの年間指導計画表にもとづいて系統的に行う。各学年とも年間10時間程度とする。その概要は,以下の通りである。
     【第1学年】
       * コンピュータ教室・マウス・キーボードの使い方が分かる。
       * 絵日記などがかける。(図形処理機能の基本T)
     【第2学年】
       * かな入力ができる。(ワープロ機能の基本T)
       * 電子絵本などがつくれる。(図形処理機能の基本U)
     【第3学年】
       * プレゼンテーション作品がつくれる。(図形処理機能の応用)
     【第4学年】
       * ローマ字入力ができる。(ワープロ機能の基本U)
       * LOGOによるプログラミングができる。
       * インターネット・ホームページ閲覧ができる。
     【第5学年】
       * インターネット・電子メールの送受信ができる。
       * 表やグラフがつくれる。(表計算機能の基本)
     【第6学年】
       * インターネット・簡単なホームページがつくれる。
       * データベースがつくれる。(データベース機能の基本)
     【個別学級】
       * 個人の課題に応じて柔軟に対応する。
       * テレビ会議システムなどを活用する。

■学級・グループあるいは個人別に追究したいテーマを設定し,課題解決に取り組む。テーマは複数の教科学習の発展として位置づけ,総合学習への移行を視野に入れた実践を行う。子ども達が自ら課題を見つけ,課題解決へ主体的に取り組めるよう支援する。町内イントラネットという恵まれた学習環境に加えて,「不思議」「驚き」「感動」など,子ども達が身近なところで日々発見できる生活環境を整えたい。子ども達の知的好奇心を刺激できる図鑑や物語,教育番組やビデオなどの映像を効果的・計画的に活用する。豊かな自然との出会いを求めて近くの野山へ出かけたり,土とふれ合って作物を育てる体験をしたり,手足だけでなく全身を使った活動も重視したい。