算数科学習指導案


’95年度自作教育ソフト年鑑(学研)登録ソフト

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1 学 年   第5学年

2 単 元   小数のかけ算

3 単元について
小数のかけ算

 本単元では,小数をかけることの意味やその計算方法の理解,さらに計算技能の習熟に指導目標をおいている。これまでに,児童は,整数の場合において同じ数を何回も加える,累加としての意味,いくつ分を何倍として1つの大きさの何倍に当たる大きさを求めるものとして,乗法を学習している。また,第5学年では,「整数と小数」で十進数のしくみにおいて整数と小数を統合的にとらえられるようになっている。
  この単元では,「1つ分の大きさが決まっているときに乗法が用いられる」という既習事項を生かし,乗数が小数の場合でも乗法が用いられることを理解させる。しかし,整数の場合,「2×3=2+2+2」で説明できたが,2×0.3 のように小数になると同数累加では説明できない。そのため,かけ算の意味を「1あたりの大きさ×数量=全体の大きさ」と拡張する。そして,真小数のかけ算では積が被乗数よりも小さくなることの理解は困難が予想されるので,シミュレーションを用いて理解を助けたい。
  指導にあたっては,まず積の見積りを個別に行ない,その結果を検証する方法を学級集団で工夫する。児童の実態として理解の程度に差がみられるので,活発な討議がむずかしいと思われる。そのため予想される考え方を予めパソコンに入力しておくようにした。児童の発表に合せて提示することで,集団討議を深められるように配慮したい。その後,児童がテープの長さと値段を自由に設定する問題を作り,学級全体で解くようにする。また,外延量×外延量=外延量,外延量×倍=外延量についても小数のかけ算ができることを理解し,計算ができるようにしたい。


4 単元目標

(1)小数をかけることの意味やその計算方法が理解できる。
(2)小数をかける計算を使って面積を求めたり,小数倍の計算の意味を理解したりできる。

5 指導計画(全9時間)

第1次 小数をかける計算(6時間)
  第1時 小数のかけ算への動機づけ……………………本時 
  第2時 小数×小数の立式とその計算方法
  第3時 小数×小数の筆算の仕方
   第4時 0をつけたす場合の筆算の仕方と交換法則 
  第5時 乗法と積の大小関係,答えの見当づけ 
  第6時 小数のかけ算,小数点の位置,小数のかけ算の適応題
第2次 小数のかけ算を使って(2時間)
  第1時 辺の長さが小数値の長方形の面積を求める計算
  第2時 小数倍の意味(第1用法,第2用法)
第3次 まとめ(1時間)   練習 


6 本時の指導

(1)本時の目標 
  小数をかける意味を理解し,その計算方法を工夫する。
(2)本時の展開

学 習 活 動  支 援 ・ 留 意 点
「1m400円のテープを2.8m買った代金はいくらか」の課
題の意味を理解し,解答の見当をつける。
小数であってもかけ算ができることを 理解させる。そのために,2.8mを
整数の3mなどに置き換えて考えさせる。解答の見当をつけ,パソコンに
入力させる。その値によって,多いか少ないかが提示されるので,学級
全体でおおよその見当をつける。
小数のかけ算の計算方法を工夫する。 既習事項である整数のかけ算をもとに考えさせる。何種類もの考え方を
出させ,最も簡潔・明瞭な方法を見出させる。それぞれの考え方が発表
された後,発表者の確認と学級全体へのプレゼンテーションのために,
線分図のシミュレーションを提示する。
テープ1mの代金と長さを任意に入力することで問題作りを
する。各2人組で交互に出題し合い,個 別学習を行なう。
 
各2人組の問題作りと解答を,教師側 のLAN機能のオートスキャンで確
認し,必要に応じてリモートコントロールで指導を行う。
真小数のかけ算の課題を考える。 これまでの経験から,かけ算の積はか けられる数よりも大きくなると考え
る児童が多い。そこで,線分図を手がかりに考えさせる。
学習のまとめをする。 画面のテロップで重要事項を確認させる。

7 考察

かけ算の意味を「1あたりの大きさ×数量=全体の大きさ」と拡張するために,先に設定したツール型でパソコンを活用した。1あたりの大きさをテープ1m の値段に,数値をテープの長さに,全体の大きさを代金に,それぞれ置き換え課題を与えた。特に数値が真小数の場合,積が被乗数よりも小さくなることは捉ら えにくい。そこで,もとになる1mのテープを表わした線分図を示した後,買ったテープを示した線分図をシミュレーションすることで,視覚的に理解させるこ とができた。また,何種類かの解決方法は児童の 発表に合せてシミュレーションで提示し,集団討議の手助けになるよう工夫した。  集団討議で再認識したかけ算の意味を深く理解し,定着させるために二人一組での問題作りに取り組んだ。二人一組であることから相互の教え合いができた。 一人が任意の数値を入力することで様々な問題を作り,もう一人が解答する。二人で解答を検討し,結果をシミュレーションと式で確かめた。場合によってはヒ ントをパソコンから入手した。自分が試してみたいと思う数値で問題を作り,解決方法とその結果を確認することができた。問題を作ると同時にその解決結果の 予想ができるように,何度も試行錯誤を繰り返すことができた。 今回の授業形態についていえば,最初の代金の予想を二人一組でパソコンに入力し,その結果を集団で討議した。予想代金を検証するために多種多様な解決方 法を個人思考で考え,最も簡潔明瞭な集団討議で見い出した。 今後は,児童自身が解決の方法をパソコン画面上で表現し,LAN機能でクラス全体に提示できるようにしたい。