
広さの概念や広さ比べについては,これまでの学年において,方眼を使っての場所取り遊びや四角形や三角形の色紙の敷き詰めなどの学習をとおして,その素地を養ってきている。そこで,本単元は,その発展として次に示す3つのことを目標におく。1つめは,広さは2次元の広がりの量であることを知り,その大きさは他の量(長さ・かさ・重さなど)と同じように,単位の考えを用いて数で表すことができるという面積の概念を理解することである。2つめは,長方形や正方形については,縦と横の長さを使って,その積として面積が手際よく計算できることを理解し,求積公式として形式化することである。3つめは,大きさを表示するのに必要な単位(cu・u・ku・a・ha)の導入を図り,その相互関係を理解することである。
指導にあたっては,面積の概念導入も長さやかさなどの量の概念の導入と同じように,「広さ比べ」といった大小比較をとおして導入を図る必要がある。「どうしたら広さをくらべることができるか?」という課題に対する児童の多様な反応を大切にしながら,2つの量の比較は基準となる単位量を決め,その個数によって大きさを表すという測定原理を大切にしたい。そして,基準となる単位量(1cu)が隙間なくいくつ並べられるかで面積を表すことを理解させたい。
(1)面積の概念を明らかにし,面積の単位(cu・u・ku・a・ha)を理解することができる。
(2)長方形・正方形の求積公式を理解し,それを用いることができる。
(3)面積の単位の相互関係を理解することができる。
第1次 面積(6)
第1時 広さ比べ
第2時 面積の単位 cu ・・・本時
第3時 長方形の面積,正方形の面積
第4,5時 面積の公式の適応
第2次 大きな面積(4)
第1時 面積の単位uの導入とcu・uの関係
第2時 面積の単位kuの導入とu・kuの関係
第3時 面積単位a・haの導入とu・a・haの関係
第4時 面積の単位の相互関係
(1)本時の目標
広さのことを「面積」ということを知り,見ただけでは比較しにくい長方形や正方形の広さを直接比較したり任意単位によって比べたりできる。
(2)本時の展開
| 学習活動 | 支援・評価 |
| 身近にあるものの大きさを比べる。 | ・広さに着目しやすいものを取り上げる。 ・広さのことを「面積」ということを知らせる。 |
| 本時の課題1をつかむ。 | 「どちらが広いでしょう?」 |
| 3つの図形の広さを比べる。 <画面−1> |
図形を黒板に掲示する。 ア正方形(1辺が5cmのもの) イ長方形(縦4cm,横6cmのもの) ウ正方形(1辺が6cmのもの) ・児童には上記の図形を用意する。 ○多様な比べ方で挑戦できたか。 |
| 直接比較(重ね合わせ)によって広さを比べる。 | ○図形アと図形イの比較について筋道立てて考えられたか。 |
| 直接比較の方法を確かめる。 | ・シミュレーションを用いる。 |
| 直接比較以外の方法を考える。 | ・2つの家の広さを比べるという場面を設定する。 ・何か同じものを並べると比べられることに気付かせる。 |
| 直接比較以外の方法を確かめる。 <画面−2> |
・シミュレーションを用いる。 ・並べたものの数の違いの注目させる。 |
| 本時の課題2をつかむ。 | 「どちらがどれだけ広いでしょうか?」 |
| 広さを比べるのに適した図形を考える。 <画面−3> |
・正方形のよさに気付かせる。 |
| 学習のまとめをする。 | ○広さは任意に単位を決め,そのいくつ分で数に表すことがで きることを理解できたか。 |
<画面−1>
<画面−2>
<画面−3>
教科書の指導計画では,導入として第1時に「周りの長さが同じである四角形の広さを広い順に並べよう」という課題を示し,広い順を決定づけるには,直接比較すればよいことに着目させ,操作させる手順になっている。第2時では,いきなり一目盛が1cmの方眼紙の上に図形を示し,「1辺が1cmの正方形がいくつありますか」という課題をもとに,1辺が1cmの正方形を1cu(1平方センチメートル)と呼び,これを面積の単位とすることを理解させることになっている。しかし,この指導計画では,「なぜ面積の単位を正方形にするのか」「その必要性があるのか」ということが,児童には理解されにくいと思われる。
そこで,コンピュータを利用して導入部分を工夫することになった。本時の前半部分では,一目ではどちらが広いか分かりにくい図形を提示し,比べる方法を考えた。ほとんどの児童は,2つの図形を直接比較(重ね合わせ)して,はみ出した部分どうしをさらに比較することでどちらの図形が広いかを判断していた。そして,これらの手順をシミュレーションで確認した。次に,任意の単位を決めてそのいくつ分かで数量化し,広さを比べる方法を考えた。見ただけではどちらかが広いか分からない家を比較するという場面を設定した。児童から「重ね合わせればよい」という意見が出された。しかし,「家は重ね合わされない」ことを確認した後,他の方法を考えることになった。その後,以下の方法が出された。
@それぞれの家にロゴライターの主人公であるカメが何匹入るかで比べる。→数は数えられるがカメとカメの間がまばらなので正確ではない。
A家の中を隙間なく敷き詰めることができるものとして畳(長方形)を比べる。→正確に比べらるが数えにくい。
B隙間なく敷き詰められて数えやすいものとして座布団(正方形)を敷き詰めて比べる。→正方であると正確に数えらえるので便利である。
これらの3段階を検証していくことによって,面積の単位を正方形にしなければならない必然性を理解することができた。