○IWCが管理している鯨類
IWCが管理対象としているのは、全世界で約80種いる鯨類の中で、シロナガスクジラ、ミンククジラなどの大型鯨類計13種。それ以外の鯨類は対象としていません。日本では現在、IWCの管理対象とされないツチクジラやゴンドウクジラを捕る小型捕鯨と、イシイルカなどを対象とするイルカ漁業が、国や自治体の管理下で行われています。
■大型鯨類
シロナガスクジラは地球上で最も大きな動物で、体長は34メートルにも達した記録があります。10歳前後で成熟するメスは、2〜3年に1回出産します。ミンククジラは6〜7歳で成熟し、ほぼ1年に1回出産します。他の鯨類に比べ強い繁殖力もっているため、持続的に利用できる豊富な資源です。 |
・シロナガスクジラ
体長は25m以上になり、体重100トン〜150トン、過去地球上に生息した生物の中で最大の生き物です。南氷洋のシロナガスクジラは、ほとんどオキアミだけしか食べず、増え続ける南氷洋のミンククジラも魚以外にオキアミを食べるため、絶滅状態からの回復が遅れていると言われています。 |
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・ナガスクジラ
体長は20m、体重45〜75トン、シロナガスクジラについで大きな生き物で、亜熱帯から極地にかけて広く分布しているが、赤道付近ではほとんどいません。南北両極での交流はなく、北太平洋と北大西洋でも別の個体群がいる。 |
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・ホッキョククジラ
体長は15m前後、体重は50〜100トン |
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・セミクジラ
体長は15m前後、体重は40〜80トン、 セミクジラは昔から日本の絵に描かれていたクジラであり、背の曲線の美しさから「背美鯨」という名前がつけられた。動きが遅いので肉、油、クジラヒゲ目的で乱獲され現在では捕獲が禁止されている。
南半球に生息する「ミナミセミクジラ」と北半球の「キタセミクジラ」に分かれ、上あごの先にボンネットというこぶ状の隆起があり、これによって個体識別が出来ます。また、V字型のブロー(潮吹き)が特徴です。 |
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・イワシクジラ
体長は15m前後、体重は15〜25トン、ナガスクジラより小さく、ニタリクジラより大きいイワシクジラは他種と同様、体は流線型で、くちばしは幅広で平らなU字型です。噴気孔からくちばしの先端にかけて縦に走る顕著なうねがあります。
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・マッコウクジラ
体長は15〜20m前後、体重は40〜50トン、 マッコウクジラはハクジラの中で最も大きく、歯のある動物では世界で最大で、マッコウクジラの巨大な頭および特殊な形はクジラの典型的な例である。
マッコウクジラの頭部は、クジラ類の中でも例外的に非常に巨大で、特にオスでは、その体長の3分の1に達する
和名のマッコウクジラの由来は、まれに腸内にから発見される瘤(こぶ)から、竜涎香(りゅうぜんこう)とよばれる抹香に似た香りのする香料が採れるためです。頭部の形状が特徴的で、クジラの絵を描くときのオーソドックスな形として親しまれています。 |
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・ザトウクジラ
体長は15m前後、体長は25〜35トン、尾びれの裏側の模様で個体を識別でまする。胸びれは長く、季節にともなって回遊し、アラスカのものは冬は出産と育児のため、ハワイなどの暖かい海へ移動します。オスは繁殖期に「歌」をくりかえし歌う事が知られています。
潮吹きを3〜4回した後に潜水する。 |
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・コククジラ
体長は15m前後、体重は14〜35トン、頭は上から見ると三角形で、上顎はセミクジラやホッキョククジラの顎のラインと比べると少々アーチ型になっています。胸びれは広く、パドル状です。コククジラはセミクジラのように背びれがありません。 |
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・ニタリクジラ
体長は15m前後、体重は25トン前後、イルカのような美しい鎌形の背鰭をもっていて、スマートな体つきは、水中生活に極限まで適応した流線形で、クジラらしいクジラでです。外見上の特徴は、鼻孔前方から吻(ふん)端に向う3本の稜線でです。
ニタリクジラは大きな群れはつくらず、通常単独か2頭で行動しています。海水温度20℃以上の温暖な水域を好み、熱帯から温帯海域に生息します。他のナガスクジラ類は南北回遊を行いますが、ニタリクジラは定住性が強く季節的な回遊は行わず、餌生物の移動に伴う小規模な回遊を行う程度と考えられています。ニタリクジラは、かつてイワシクジラと混同されていました。「ニタリ」というのは、イワシクジラに似ているところからつけられたものです。 |
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・ミンククジラ
体長は10m前後、体重は5〜8トン、ナガスクジラ類では最小の種で、おもに外洋性で回遊をします。水にもぐるときに体を大きく曲げるが、尾びれを水上にもち上げたりはしません。周波数80Hz〜20kHzのパルス音やクリック音、ブーブーという声などを発してコミュニケーションをすることが知られています。 |
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■小型鯨類(IWCの管理対象外)
ツチクジラ、ゴンドウクジラ、その他多くのイルカ類を小型鯨類といい、IWCの管理外です。イルカとは普通、体長4メートル以下の鯨を指します。
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ツチクジラ
体長は9〜10m、体重9〜10トン、北太平洋、日本海、オホーツク海、ベーリンク海にしか生息しないので和歌山県太地沖では見ることはありません。。全体的に灰黒または灰茶色で、腹部はやや薄い。「おでこ」と長いくちばしが特徴で、かなり深く長時間潜水する。通常30〜50分。餌はイカ類や底生魚類が主である。
日本政府管轄の下、許可されて北海道を中心に捕獲されています。 |
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ゴンドウクジラ(マゴンドウ)
体長は4〜5m、体重は2〜3トン、体色は黒または黒褐色。頭が樽型で丸く大きく、くちばしがない。通常15〜40頭くらいで行動します。 世界中かなり広く分布していますが、日本近海では銚子から沖縄にかけて生息し、北海道の太平洋岸から銚子にかけてはタッパナガと呼ばれるマゴンドウと同種が生息します。
日本政府管轄の下、許可されて太地や和田を基地として捕獲されています。
(尚マゴンドウは太地の追込み漁や沖縄においても捕獲されている) |
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ハナゴンドウ
体長は2〜3m、体重は1〜2トン、
体色は黒褐色で、くちばしはない。通常50頭以下で行動するが、100頭以上の群を作ることもある。 温帯から熱帯にかけて幅広く分布。日本の太平洋岸沖合でもっとも頻繁に出現する。
日本政府管轄の下、許可されて太地を基地として捕獲されています。
(尚ハナゴンドウは太地の追い込み漁においても捕獲されている) |
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