ー子ども達が最期の一瞬まで輝くためにー
1. コミュニケーションの大切さ
近年の医学の進歩により、いろいろな治療の選択肢がでてきており、治癒が難しい状況になっても、ご両親はまだまだ何か他に治療法があるのではないか、と期待されることもある。
それが、その子どもにとって、いいことなのか、苦しみをのばすにすぎないことなのか、判断するのは難しい。医療側から、考えられる選択肢を説明し、ご両親は患児の性格や今まで進んできた道を振り返りながら十分に考え、選択をしていかなければならない。2つのことを同時に選ぶことはできず、十分に考えておかないと、悪い結果になったときに後悔することになってしまう。
そんななかで、最も大切なのは、信頼関係であり、コミュニケーションである。患児と家族と医療者間で、また医療スタッフ同士で、頻回に話し合うことが重要である。
また、ターミナルの判定は、「死にむかっていくこと」を意味するのではなく、「最期の一瞬まで子どもが精一杯生きられるように、患児自身・家族と医療スタッフみんなが協力して“子どものためにやれること”を考えていくスタートラインであること」を、心においておかなければならない。
2. 苦痛を軽減する
肉体的苦痛は積極的に取り除く。モルヒネは、ターミナルケアにおいて、苦痛を取り除き、息苦しさから解放してくれる魔法の薬のように思える。
「痛いのは最もつらいことだから、モルヒネを始めましょう」と、ご両親に説明すると、たとえ「お願いします」と即答されたとしても、“いよいよ最期か...と思った”という話をよく聞く。
医療者の中にも、いまだに「モルヒネは命を縮める薬」のように思っている人もいるようだ。適切にモルヒネなどで、痛みをコントロールすることで、今日1日を生きて、明日へ向かう力が湧いてくる。
また、小さな子どもであっても、死が迫っていることを感じていることが多い。
患児がどのような不安や苦痛を感じているのかを知ることが大切で、そこから、何を優先させてケアを行っていくかが決まる。
子どもの訴えは日々変化していくので、おのずとケアの方針も変わっていく。コミュニケーションを十分に取り合うことが重要であるが、医療者自身の死生観やバランス感覚も大きな因子となる。