医療古書店パラメディカ 店主のひとりごと

星野史雄さんの場合
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〒336-0011   浦和市高砂2−2−1 ほしみつビル6F

平成10年秋に「古書 パラメディカ」という闘病記を中心に集めた、 一般向け 医療関連書専門の古書店を開きました。
店舗はビル6階にあるため、主にオンラ イン古書店として1万点ほどのデータをアップし、メールで注文を受けています。
古書店というのは主に資金の都合ですが(^^;)
「なぜ闘病記なのか」「なぜ 医師向けではないのか」
・・・店主の説明を今少しお聴きください。

かって「闘病記」とは、悲しい物語の代名詞でした。
例えば映画にもなった「愛と死をみつめて」(大嶋みち子・河野賓 1963)は骨肉腫と診断されたフィ アンセとの悲恋物語です。
しかし、ノンフィクション作家の柳田邦男氏は「70 年代になると広範な人々が闘病記を書くようになった」と述べ、「闘病記を書くことの意味」を5項目にまとめておられます。
私なりの考えを加えて、それを援用するとーーー

1・患者自身、もしくは家族の癒しのため。
2・肉親や友人へのメッセージとして。
3・患者自身の人生の棚卸し、死への準備として。
4・同病者への助言、情報提供のため。
5・医療関係者への感謝、要望、抗議のため。

開店後に知り合ったある方は、がんで亡くなられた姉の闘病記に「患者からの カルテ」という書名をつけました。
闘病記は患者サイドから医療従事者への「症例報告」でもあるのです。

そもそも店主が「闘病記」を集め始めたきっかけは、平成5年に妻(40才)が乳がんと告知されたことに始まります。
当時、乳がんの治療法としては切除術と温存療法の選択が話題になっていました。
妻の意向で「無輸血、外科手術」とは即決したのですが、術後の化学療法の副作用、リンパ浮腫の問題など、さまざまな不安がありました。
そこで参考にしようと、私は乳がんの患者さんの闘病記を探しました。しかし、神田の大型書店でも、千葉敦子さんの闘病記以外、すぐには入手できませんでした。
(現在当店のホームページには、乳がんの闘病記のみで52点を掲げています。 妻は左乳房切除術を受けたものの、8年に、肺、骨への転移が見つかり、「余命 1年」と告知され、9年に亡くなりました。

もう私に闘病記は必要ないのですが「すべての闘病記が病名から検索できる場所」
があってしかるべきではないかと考えたのです。
同じ病や障害を抱えた患者による「ピア・カウンセリング」という療法が注目されていますが、闘病記にも似た役割があるようです。
特に治療法が確立していない難病を経験された方に、「闘病記に励まされた」という感想をよく聞きます。 闘病記にこめられた思いを、それを必要とする人に届けるため、返本や故紙の山に埋もれさせないために、パラメディカは現在163種の病名別に、約680点の闘病記をリストアップし、さらに情報収集を続けています。


この原稿は早稲学法2000 7月号より星野さんの許可を得て転載いたしました。


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